アメリカ展示会 出展に向けて

展示会は商談と発注の場

アメリカと日本の展示会の大きな違いは、アメリカの展示会は「商談と発注の場」であることです。アメリカは国土面積(日本の24倍)が広く、マーケットも大きく、メーカーも全米に散らばっています。そこで、メーカーと小売店バイヤーが毎回同じ場所同じ時期に集まって行う展示会での注文方式が定着しています。あらやる製品分野の展示会において「商談と発注」が行われます。日本企業にとっても小売店バイヤーと容易にアクセスでき、マーケット開拓に取り組める絶好の機会と言えます。展示会での販売を促進する米国企業は、毎回同じ展示スペースにブースを構え、存在感をアピールしています。

事前調査と準備が成功の基本

準備・段取りをしっかりと組んで事前調査や視察を行うことが、結局は時間と経費を節約し成功への一番の近道となります。展示会に出て「市場性を見極めたい」「可能性を探ってみたい」「反応をみたい」「意見を聞きたい」と出展を最初に考えられる企業様が多くいらっしゃいます。それも一つの市場調査方法かもしれません。しかし、それだけの費用を投ずれば、相当のマーケット調査ができるのも事実です。アメリカは日本とは異質なマーケットです。考え方、ライススタイルのスタディも含め、市場を知ることが最も重要です。

1. 市場を知ること
アメリカのライフスタイルやビジネス構造をしっかり理解するところからスタートです。
アメリカ人のライフスタイルを理解することは、アメリカ向けの「最適な商品」を準備するための入り口です。生活に合わない製品を仕入れる店舗、購入する消費者は存在しないからです。

2. アメリカ市場向けの商品開発
アメリカの市場に合致した価格、デザイン、サイズ、色、パッケージング等の調整も必要となってきます。ローカルフィットです。アメリカ市場参入の「核心」の解明努力を怠るとアメリカのメインストリームへの参入はできません。アメリカの中の日系マーケットやアジアマーケットの一部の小さなマーケットに留まってしまい、発展性がないと言えます。

3. それらを行った上での流通網の構築
アメリカのビジネスの流れは、日本と大差がないと思いがちです。実際は、細かい点で様々な相違が存在します。日本の企業にとって、日本の市場においては得意先があって、受注、流通、回収体制が出来上がっています。アメリカ市場においても同様の流れを構築しておくことが大事です。販売を開始する前に、アメリカのマーケットに適した受注・回収体制を含めた流通網の構築が大事です。

4. 最後に、ようやく、展示会出展
一見、遠回りのようですが、事前準備と調査・視察をしっかりすることが、時間と経費の最大の節約になり、失敗を回避する最大の策でもあります。