2014年9月23日

ポーランドの最新ビジネス環境 Part III: 番外編

Bird’s eye viewという言葉がある。「鳥瞰図」である。上から全体を俯瞰する。一方、だれがつけたか「虫瞰図」がある。文字通り、虫の目のように地べたを這いその臭いを嗅ぎ手で触れ間近に観察する。最近では、「魚瞰図」まである。確かに、鳥の目、虫の目、魚の目で大局を俯瞰しながら現場を捉え、異なるベクトルから時代の流れを読み取り、事象を分析・検証できればと思う。

筆者などは観察も分析もあったものではなく、見たもの感じたものをそのまま小学生の作文のようにお伝えしたい。ゆえに、今回のポーランド視察の「番外編」となる。

その1:屋外広告のバカでかさ

ビルを丸ごと利用したバカでかい広告が街を走っていると飛び込んでくる。日本では新商品を宣伝するポスターやバナー程度で、まだビルを丸ごとは見たことがない。ビルを使っているので、目に飛びこんでくるインパクトは大きい。ただ、他の国で見たものに比べ、アイデアとユニークさが足りない印象だ。まだまだ、真面目過ぎるポーランド。今回、皮肉にも、泊まったホテルの窓に広告がかかっていて、高層階にも係わらず外の景色がよく見えず台無しであった。

アメリカのセンスあるユニークなビル丸ごと広告を以下に紹介しておく。

左写真はスポーツジム、右写真はペンキの広告。大仕掛けである。

その2:歴史ある街に落書きが

ワルシャワの街でもそうであったが、他の町を訪ねたときも、残念なことに落書きの多さにビックリした。奇麗な街ゆえに、余計に目立つのかもしれない。そこに住むポーランド人も落書きに対して強い憤りを表明していた。最近はかなりアートっぽい落書きも多いと聞かされるがなんの慰めにも・・。

その3:なぜ、そんなに信号の時間が短いの?!

ワルシャワ市内の大きい通りを渡るときなど、信号が渡りきる前に青から赤に変わってしまう。最後はいつも駆け足になる。好奇心の果てに、下の写真にある通りを歩きながら信号の時間を計ってみたら渡りきるまで15秒かかった。信号は12秒ぐらいから黄色に変わりあっという間に赤になってしまう。気になるので、路上に立って信号を渡る人が歩いて青信号の状態で渡りきれるかを調べてみたが、ご覧の通り、左下の信号機は赤になっている。現地で一緒だったポーランド人は確かに歩くのが早い。ポーランドは車が優先なのか、歩行者の歩くスピードが早くその平均歩行スピードに信号の時間が合わせられているのか? 理解に苦しむ。路面電車が走っている大通りでは、その中央分離帯のところで立ち止まるひとも多い。

その4:車道→駐車スペース→自転車専用通路→歩道

筆者は海外に行った際、起床後、宿泊先ホテルの周辺を歩き回る性癖がある。1時間+α、大体1万歩程度が目安なので、5−6キロは歩いて見て廻っている計算になる。歩いていて、後ろから急に自転車が駆け抜けて分かったのだが、自転車の専用道路を歩いていた。比較的広い道路では、車道があり、縦列ではなく斜めの駐車スペースがあり、自転車用通路があり、そして、歩道となる。日本では縦列駐車なので、この横列に近い斜め駐車は新鮮に映った。

その5:ATMがこんなところに

日本ではみかけることがないので、話しの種として紹介しておく。ATMがいわば路上の目立つところに置かれている。何年か前、日本で盗んだフォークリフトを使ってATMごと盗み去った事件を思わず思い出し、ポーランドは大丈夫なのかしらと余計なことを考えてしまった。

その6:食に関して

ポーランドは早朝から一般のお店でも開店しているところが多い。6時、7時と朝早くから馴染みの店に立ち寄り、朝食用のパンを買い込む人が目立つ。パンの専門店だけでなく、どんなお店にもパンのコーナーがある。そして、ポーランドのパンはうまい。道行く人には屋台でも。屋台のパンも上にゴマが振り掛けてあってトルコのスミットのようだ。食べてみたが、トルコのスミットとは食感が違うようであった。

次に、ケバブのお店が目立つ。特に人気はドネルサンドタイプのケバブで日本でも六本木やアメ横など色んなところで見かける。ドネルケバブと呼ばれる肉の塊を回転させながら焼いて、その肉をナイフで削ぎ切ったものをパンやピタにサラダと一緒に挟んでラップ状にして食べる。観光客や地元の人にも大人気らしく、ハンバーガーと肩を並べるファーストフードとなっている。ケバブはトルコや中東の料理だが、ドイツにトルコ系移民が持ち込んだのがきっかけらしい。今やヨーロッパ各地に広まり、肉料理が大好きなポーランド人には、肉のうま味たっぷりのケバブとの相性は抜群である。


ケバブ屋 

パン専門店

その7:お酒に関して

ワルシャワからクラクフに車で移動した。高速道路も使って比較的快適な車での移動であったが、日本のようにサービスエリアがあるわけではなく、トイレ休憩はもっぱらガソリンスタンドとなる。ガソリンの値段は日本より高い。問題はむしろガソリンスタンドのショップに入っていくつかビックリするものを発見したことである。

先ずもって、アルコール類がタップリと取り揃えてある。ウォッカからビール、ハードリカーまで品揃えがガソリンスタンドの売店とは思えない充実した内容。 そして、ビックリアイテムがALCOHOL ANALYZER、つまり飲酒量の測定器が店内に設置してあり、5ズロチで数値を計測できる。ただただ、ビックリ。その意図がわかりかね、お互い顔を見合わせ、首をひねるのみ。ポーランドの奥深さとも言える。

最後に番外編に相応しいアイテムを紹介しておく。以下の写真をとくとご覧いただきたい。レジの横にある棚でだれもが手を伸ばして買いたくなるチョコレートやキャンディなどがギッシリと並んでいる。その中に泰然として置かれているアイテムがある。パッケージには「PLEASURE MAX」と記されている。コンドームである。これまた、先ほどのALCOHOL ANALYZER同様、ただただ、お互い顔を見合わせポーランドのおおらかさと奥深さを感じながら笑う他なかった。われわれのポーランドへの印象もこれでいっきに「マックス」に達した瞬間であった。


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