2014年1月15日

19th India International Seafood Show 2014 出展レポート

第19回インド国際シーフードショー2014が、1月10日-12日の三日間、インド・チェンナイにて開催された。主催はインド商工省、インド海産物輸出振興局(MPEDA)で、インド国内外から関連企業が広く集まる。 海鮮食品、関連電気設備、魚/えび養殖業者、品質管理ラボ、清浄設備、食品成分供給者、化学製品などが対象。対象の業種は、基礎産業/農林水産業、生活/食・飲料、食品加工、機械・工業技術/その他の産業用機器・設備。アジアで最大のシーフードショーとして隔年開催、弊社は3回連続の出展となった。

今回の弊社のミッションは、日本のスナック菓子(数種類)や緑茶などのテストマーケティングと実際の参入の手だてを探ること。出来れば一発で受注まで持って行くこと。過去取り組んできたテーマではあるが、インド参入はそう簡単ではない。関税がやたら高いこと、相手先と一度会ってもその後のコミュニケーションがうまく継続しないこと、相手本意のやたら厳しい取引条件であること、日本からの製品はどうしても値段が高くなってしまうこと、取引のボリュームが少なく運賃がかかりすぎること・・・などなど、難しい出来ない理由を挙げればキリがない。こんな調子なので時間がどうしてもかかってしまう。最初の感触はよくても、その内に、双方、連絡が疎遠に・・ということになってしまう。同時に、日本の企業さんも先ずはインド市場を自ら肌で感じてみたい、自社商品の試飲・試食を介して可能性を見いだしたいなど、やはり、新規市場参入に最低3年の我慢と資金手当をもって臨むだけの覚悟が不足している点は否めない。最終的にはここまで苦労するのであれば、日本でもう少し頑張りますということになってしまう。

12億4000万人の消費大国であるインド。中間層が増えつつあり、日本の期待値は大きい。2年毎の展示会、今回で3度目の出展であるが、ブースやホテル、その他お店で行う試食での「興味と食いつき」は毎回大きくなっている。

今回もやはり問題はインド側も繰り返し言及しているが値段である。それに高い関税が加わる。突破口としては、下記手法が考えられる。

(1) 少量化する
(2) 完成品ではなくて、バルクで輸出して現地でパックする
(3) 中・高級食品専門店にプレミアム商品として新たに店舗との協調体制のもとで展開する
(4) 直接インドではなく他の国(シンガポールやタイなど)を経由していれる

現在、折衝中なので詳細は触れられないが、上記(3)に該当する店舗と現在(1)から(4)のアイデアを盛り込んだ方法で取り組んでいる。なんとか、突破口を開きたい。

今回、チェンナイに入る前にインドで最大規模を誇るといわれるコーチンにあるLulu Shopping Mallを視察した。最初に面白いと思ったのはスケートリンク。冬ではあったがその日も30度近くあったので、スケートリンクはIncredible India! の一つとして目に映った。モール内の遊園地を模した空間で上品で可愛い制服を来た小学生が先生に引率されて体験学習を楽しんでいた。そういえば、筆者も小学生の頃、都心のデパートの屋上で同じような体験をした記憶が蘇った。インドも日本を追体験しているのだろう。そういう意味では、インドが今後進んで行く道なり方向性をある程度、われわれ日本人は予測を立てることができる。最近、インドではボーリングも人気が出て来たようだ。モール内はボーリング場もあればゲームセンターも充実している。映画館ももちろんある。映画の製作本数はインドが世界一と聞いた。恐らく、地元の人たちにとってはここのショッピングモールは特別の存在なのであろう。同行してくれた現地の人によると、われわれが視察したのは平日であったが、週末になると家族連れで大変な混みようらしい。これはどこもそうだが、暑い日は特に日中は涼みに来る人が多いらしい。そうした発展の仕方もかつての日本を見るようである。

最後に、このモールに入っているハイパーマーケットを少しのぞいてみた。単純に欲しいものは何でも手に入りそうだ。バナナコーナーをみてビックリした。6種類もの違うバナナが販売されていた。フードコートには米系ファーストフード店が漏れなく店を構えている。インドの食生活も若い人たちを中心に欧米化していくことは間違いない。この流れは抗しがたいものがある。一方で、こうした欧米からの食を受け入れることで海外の新しいものを更に受け入れる土壌が育成され、日本のものも結果として受け入れられることに繋がると考えるべきなのかもしれない。

(以上)