2013年9月10日

MAGIC(マジック)視察レポート(3)

MAGIC/マジックの視察は、だだっ広い会場を移動することの健脚と体力、そして、一歩会場の外を出た時の砂漠特有の灼熱の暑さとの戦いといっても過言ではない。一に体力、二に気力、三四がなくて五が知力とは日本の企業戦士のモットー(?)ではあが、MAGIC/マジックはそんなビジネス以外の挑戦を突きつけてくる総合展示会である。当展示会は前の記事でも記載したが下記より構成されている一大マジックショーである。

(1) 女性用アパレルやアクセサリーの「WWDMAGIC」
(2) 北米最大のフットウエアを総合的に扱う「FN PLATFORM」
(3) 生地・副資材を扱う「SOURCING at MAGIC」
(4) メンズ・レディース向けデザイナーズコレクションやプレミアコンテンポラリーファッションを扱う「PROJECT」
(5) 若者文化に焦点を当てたスケート&ストリートファッションを扱う「PROJECT MVMNT」
(6) ハイエンドのコンテンポラリーなマーケットを扱う「TENTS @ PROJECT」
(7) 2001年から独立した展示会としてブティック用市場やリテーラー向けの「POOLTRADESHOW」
(8) MAGICの80年の歴史そのものであるメンズ商品を扱う「MAGIC Men's」
(9) フットウエアや生地など手頃なファーストファッションアイテムを扱う「WSA @ MAGIC」
(10) コンテンポラリー、デニム、プログレッシブなコレクションを扱う「ENKVEGAS WOMENS」

場内を視察しながら、視界に飛び込んできたブースや展示品を写真で追いかけながら印象に残ったところを記したい。 最初にデザイナーズコレクションやプレミアコンテンポラリーファッションを扱う「PROJECT」。日本の企業の方と一緒に見て回る機会があったが、「事前のアポイントのない方はお断り」というブースがいくつもあった。そういうやり方もわからないわけではないが、逆に彼らにとってopportunity loss(機会損失)を招いているのではないかとも思われる。

ブースを回っていて、これは便利、いいね!と思った点を触れておきたい。日本に比べ国土面積も日本の25倍あるだけに展示場内のスペースの取り方が随分とゆったりしている。このセクションは特に他と比べてもそうかもしれない。先ず、通路に大きなテーブルと椅子が用意されていてそこでモノを広げて打合せもできる。座るスペースもいろいろな場所に用意されている。座って休憩できるスペースには、音楽担当もいて常時音楽を流している。更に、卓球台が用意されているのには驚いた。

あと、ついでといってはなんだが、いろんなところで壁に絵を描いたりアート系の製作に取り組んでいる場面に出くわす。納期に間に合わず作業中なのか、あるいはそれ自体が来場者へのもてなしなのか?その傍らに本人の名刺が置いてあるので、尚更、わけが分からなくなる。

さて、ブティック用市場やリテーラー向けのPOOLTRADESHOWに出展しているパンツ類を扱う日本企業のブースがあった。パンツの内側にはコンドームを入れるポケットがついている。(写真左下) こちらはHello Kittyの関連商材を扱う日系企業と思いきやそうではなかった会社。やたら、元気で明るいブースであった。(写真右下)

次にMandalay Bayの会場からバスで15分のLas Vegas Convention Centerへ移動。Convention Centerにはサウスホールから入った。Footwearのアイテムが並んでいる。

続いて、女性用アパレルやアクセサリーの「WWDMAGIC」。エントランスも印象的である。

女性用アパレル、アクセサリーということもあってか、マネキンの多様さとその数に圧倒した。出展者の女性と見間違えるほどリアルなマネキンも多くこの一角は見応えがあった。

最後にマックスの笑顔で迎えてくれた株式会社サンクレストを紹介しておきたい。同社は大阪に本社を置き、アメリカにも現地法人を設立。MAIL BLOCKと呼ばれる携帯画面に貼ると隣の人からは画面が見えなくなるフィルムを開発し、多機能フィルムの企画販売を中心に行っている。中でもキラキラのHello Kittyカバーは大人気商品。写真の右側がデザイナーでありプランナーの中馬(ちゅうま)さん、左側がアメリカの現地法人で勤務する森澤さんである。二人のマックスの笑顔でアメリカ市場を席巻して欲しい。

気がついてみると展示会視察のレポートではなく、単なる軽薄なブログになってしまっていた。ご容赦願いたい。ただ、今回、駆け足で見て回った視察を振り返ってみて、アメリカ市場のビジネスチャンスのスケールの大きさを再認識できた気がする。増え続ける3億人を超える人口を持つアメリカは消費大国であることには間違いない。ビジネスインフラも完備され、アジア地域等で直面する問題にはほど遠い国である。また、アメリカで蠢くビジネスの波に自らを投じて挑戦する気概はその挑戦者たちを何倍にも成長させてくれる懐の深さをアメリカはもっている。 その可能性が大きいだけに、単に、luckに頼る運任せではなくて、こちらにluckを取り込むための努力、つまり、しっかりした事前の市場視察、市場調査をやっていただきたい。アメリカはチャンスの国(land of opportunity)である。しかし、チャンスは平等、結果は不平等と言い換えることもできる。しっかりと予習をした上でアメリカ市場参入のステップを踏んでいっていただきたい。


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