2011年6月3日

MICEに向けた取り組み(前半)

5月23日から26日までイスタンブールでのThe 48th International Submariners Congressに出席。昨年はイスラエルで開催され、今回で2度目の参加となった。目的はこの会議を日本に将来誘致するため、そのための下準備にあった。20カ国近い国の代表が約350名近く参加する友好・親睦を目的とする非常にユニークな国際的大会である。なにせ、世界の潜水艦に乗っていた人たち、現役の潜水艦乗りを中心とした集まりである。この集まりについては、このコーナーで1年前に取り上げているので、バックナンバーをお読みいただけると有り難い。ただ、今回、最も印象的で感動をしたことを記しておきたい。この3月11日、東日本は地震と津波に襲われ、壊滅的状態となった。

東日本大震災が起こって、真っ先に、日本に救援の手を海外から差し伸べてくれたのがトルコ。そのときエルドアン首相は、確固たる成果をあげるまでトルコに戻ることは許さないとの厳命のもと、救援チームを日本に送り出したことは知る人ぞ知る事実。1999年にトルコも大地震を経験、その際、日本から素早く救援チームが派遣され、トルコと日本は歴史的にもお互い助け合ってきた関係にある。今回、筆者は日本の代表としてこの会議に参加していたが、2万人を超す犠牲者を出した日本に対して献花と哀悼を込めて参加者全員が祈りを捧げてくれ、実に感動的であった。日本のために義援金箱も用意してくれ、帰国後、日赤を介して被災地に届けることができた。

さて、前置きが長くなったが、まさに、本題の「MICE」とはこのように海外から日本に、従来のこういった「コングレス」や「コンベンション」に加えて、企業会議やインセンティヴツアー、イベント、展示会などを包括した新たな集客施策として誘致しようとする枠組みを指す。「MICE」が国内外で提唱され、日本でも観光庁が牽引する形で取り組みが開始されている。

MICEとは何か? 頭文字をとってMICEとしている。

Meeting、企業等のミーティング(会議)で、外資系企業の戦略セミナーや海外投資家向け金融セミナー等様々。数十から数百人単位で多数開催されており実態の掌握はほぼ不可能ではある。

Incentive Travel (Tour)、企業報奨、研修旅行と呼称されるもの。生命保険や自動車関連企業など1000人規模で実施される大型のものが多く、経済効果も高い。

Convention、国際機関・団体が主催する国際会議や全国規模の大会・学会・学術会議など。コンベンションの外国人参加者は、全訪日外客数の1.3%を占め、1件当たりで平均430人の参加者。平均開催日数は2.7日。

Event/Exhibition、文化・スポーツイベントや展示会、見本市を指す。世界選手権、ワールドカップ、東京ビックサイトや幕張メッセで通年開催されている展示会など。

次号では観光集客と相互に補完する「集客装置」=「MICE」の特長について触れたい。


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